背中への一撃【大動脈解離闘病記 その1】

大動脈解離

このブログを最後にアップしたのが、2月1日土曜日の朝、

翌日2月2日日曜日のオンラインレッスンの内容に関するお知らせでした。

その日から早5週間。

結果から申し上げると救急搬送で病院に運ばれその後、夜中の緊急手術。

そして3週間の入院を経て自宅に戻ってくることができました。

ただ今の状態は、体重が8kg減、歩行はまだまだヨチヨチ状態、階段の昇降はやっとこさできるかどうか?

自宅に引きこもりでただいまリハビリに励んでいる最中です。

このブログはもちろん、オンラインレッスン、スタジオレッスン、外部のレッスン、すべてキャンセルし、急に姿を消した経緯をこのブログでお知らせしようと思います。

少し長くなりそうなので、何回かに分けてお伝えしていきます。

お暇な方、よろしければどうぞお付き合いください。

まず、時系列に沿ってお伝しようと思います。

2月1日(土) 気温が低い曇りの日でした。

半年前から決まっていた母校での講演会に定刻の1時間前に入って、関係者との打ち合わせも順調に進み、控え室で待機していて、

あと10分くらいかなと時計を確認しようと身体を少しばかり捻った時、

背中を誰かに思いっきり蹴られたようなズンとした重い痛みが走ったのです。

思わず、誰?と振り返りたくなるほどなのに、それもできないくらいの痛みにうずくまったまま動けない。。。

え?!どうしよう、このあとすぐに講演会が始まるっていうのに。

主催者に伝えて、中止するか?このまま無理して続行するか?

会場にはすでにお客さんが次々に入ってきているのに、ここでいきなり中止にするのはまずいよね。前代未聞の記録になるよね。たくさんの人に迷惑をかけるよね。

頭の中がグルグルと空回りするうちに定刻になり、それでも自然に人前に立ったワタシ。

すごい、プロ根性の塊、なんて褒められたものでもなんでもなく、ただふだん通りにしゃべっただけで、今思い出しても、何をしゃべったのかさっぱり覚えていないのです。

ただ、必死で無我夢中でこなしたというのが一番正しいかもしれません(講演会にお越しいただいたお客様には大変失礼なのですが)

そして、講演会が無事に終わって関係者さんへのご挨拶もそこそこに、あわててタクシーで帰宅してベッドに倒れ込んだわけです。メイクも落とさず、服も着たままで。

その時は、背中の痛みというのはなく、ただ単に息苦しい、訳もわからずしんどい、

熱があるわけでもなく、吐き気もなく、でもベッドから起き上がれない。

いったいこれは何?

熱もないし、インフルエンザではないみたい(実は幸か不幸かインフルエンザにかかったことがない人なのです)

しかし、立ち上がることがしんどくてトイレも這うように行く始末。

となると、コロナ?

もしもコロナだったら家族も呼べないし、どうすればいい?

2月2日(日) 天気の記憶なし

朦朧とした頭で、うつらうつらしながら朝を迎えたものの、しんどさ、つらさは増すばかり。

今から思えば、そこまできたら救急車呼ぶレベルじゃないの、と思うのですが、

その時点では、いやいやまだ意識ははっきりしているし、この状態で救急車なんて呼ぶなんて申し訳ないと本気で考えていたおバカな私でした。

前日のうちに家族にも連絡し、予定はすべてキャンセル。

スタジオのお客様には、とりあえず「体調不良でお休みします」という連絡をさせていただきました。

とにかく寝ていたら楽になるだろうと考えていた浅はかな私でしたが、その症状は楽になるどころかどんどんひどくなる一方。

「後悔先に立たず」ですが、どうしてその時点で救急車を呼ぶという選択をしなかったのか?訳がわかりません。

そして、信じられないことに2日の日も一日中寝て過ごしたのです。

2月3日(月)

一向によくなるどころかどんどんひどくなる一方の体調に、これは何かおかしい、とようやく気づいた私。

家族の勧めもあって病院を受診することにしたのはいいのですが、いわゆる「かかりつけ医」がいないので、どこに行けばいいのかここでまた途方に暮れるわけです。

兎にも角にも家族が探してきた病院を、発症後丸2日経って初めて受診。

さあそこから、怒涛の展開で進むことになります。

症状を聞いた医師が、一言

「これは帰れないかもしれませんね」

その後の検査、医師の説明を聞く頃には意識が朦朧としてきたのだと思います。

受診した病院で救急車を呼んでもらい、そのまま救急搬送ということになりました。

すぐに酸素マスクを装着してもらったおかげで、やっと話せるようにはなったものの、意識はどんどん混濁するわけです。

朦朧とした状態のまま、気がついたら病院に到着。

訳もわからないまま覚えているのは、手術の担当医から告げられた言葉。

「曽根さん、これから全身麻酔をして『大動脈解離』の手術をします」

なに、それ?

と思って以来の記憶がないまま、ことが進みます。

続きは次回。

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